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スペシャルインタビュー

La Ricetta:稲垣 圭介シェフ

現状の社会vs 愛犬家レストラン

― ラ・リチェッタのHPにも書かれていますが、ワンちゃんの「トレーニング用の入店OK!」ということですがなぜなのですか?

けーすけシェフ:OPEN当時からテラス席はOKにしていたんですよ。わりと犬を飼う人が多くなったせいか、周囲でも散歩をさせる人を良く見かけるようになったのですが、ペットブームといわれながらも、ペットを取り巻く環境が整備されてなく、特にこの周辺は田舎なのでソフトウエアがそろっていないところがあるので…。公共の場で家族の一員として迎えるためにも、楽しめるか連れ出してもらえるお手伝いが出来ればと思いました。ペットとの関係を深めていくなかで、人間としても楽しめるのではないかなということで場所を提供したいと思ったのがきっかけです。

― 犬との共生を考えるとき、イタリアやドイツ・フランスなどの例がよく出されますが・・・

けーすけシェフ:人間との共生という意味では一歩も二歩もリードしていると思います。スーパーマーケットの中を犬が普通に入っていけますし、お料理やさんなんかでも厨房の中に入っていくケースもありますしね。

― 日本の場合は、ペットを飲食店で飼うこと自体、賛否両論ありますので難しい面はありますよね。

けーすけシェフ:好き嫌いを抜きにしてというか、好き嫌いの中でどうやっていくかということですね。子供さんだって、しつけや育て方に色々あるわけですから、こちらが拝見していて眉をしかめてしますシーンもありますよね。ワンちゃんだって子供と同じですからいろいろあります。誰がなんといっても、飼い主さんは親なんです。たとえば、子供が「ワー」って泣いた時に、その子をほったらかしして、犬を連れている人は親なんだから・・・。自分のおしゃべりに夢中になっているお母さんもいますね。「あっ」と言って、だっこして外に連れて出る人もいます。そのへんワンちゃんも同じで、しっかり「待て!」とか、コントロールしようとする意思を持っておられる方と「もうしょうがないわね。」と言って、そのまま甘やかしている方もいます。

― でも、どこが違うのでしょう?

けーすけシェフ:犬が違うわけではないんです。飼い主さんの意識が違うわけで、すべては犬でなくて人間次第なのです。ワンちゃんのためというよりは、飼い主さんが一方的に連れて歩きたいというか飼い主さんも一緒でそのためには、どうしたらいいかということを考えてほしいですね。飲食店さんの中でも、「PET入店OK!」を掲げたんだけれどもトラブルを抱えて、その後やっぱりやーめたってやめてしまうところも多いですよね。

― どんなトラブルが多いんでしょうか?

けーすけシェフ:お店側から見ていると、大概のことは許せるんですけど、お客様同士のトラブルが多いですね。犬が吠えて苦情があったりします。子供さん連れのお客様を見ていると、騒いだりしても最近は「注意しない」親が多いですね。甘やかす事と大事にする事は違うと思いますが、実は愛犬家のお客さんの場合も同じなんです。なんでも好きにさせてあげるのと、「それはちがうよ。」って言って正してあげるのとどっちが大事かと考えたとき、早い段階で他の人がいる社会の中に順応させていくことで、社会に溶け込むことができるのかなって思います。うちのワンコたちは、面白いんですよ。いままで他の家にいた犬もここに連れてくると、きっと自分は仕事だって思うんでしょう。家にいる時とは違う緊張感で、半分仕事しているような感じで動いています。

― それはシェフの空気感を感じてるんでしょうか?

犬自身が、自分の身の置く場所をわかっているんでしょう。家に、後にきたワンちゃんは特にそう思うんでしょうね。あ、急いでいるとか一所懸命な時とかその空気感が伝わっているのは感じますね。

― 以前に食事をしにきた時に、お客さんがワンちゃんを連れていているシーンを拝見したことがありますが、テラス席にこられたお客様の印象や雰囲気はどんな感じでお食事されているんでしょうか?

犬連れのお客様は、お天気のいい日はテラス席でよく食事をされていますね。もちろん、常連さんも多いのですが、うちの店の場合、繰り返し来て頂ける方の他に、いろんなところに行かれるお客様も多いです。あちこちを渡り歩いてる人は、テラス席でお食事をして頂き、自分のワンちゃんの写真を撮ってブログにお写真を載せて頂いたりしています。犬の立場で考えると、できれば、繰り返し来てくれたほうがいいようです。ワンちゃんとしても、自分の居場所というか、行動場所のひとつとして認識します。たとえば、最初来た時に吠えて落ち着かなかったりしても、2回目・3回目と来るにしたがって、ここは食べる場所なんだとわかってくれる子も多いようです。それが、犬にとっての学習とか成長だと思うんですよね。

― ラ・リチェッタさんのようなワンちゃんに理解のあるお店が増えるといいですね。

けーすけシェフ:そうですね。僕は、自分の犬をどこへでも連れて歩くというよりは、犬の性格を考えてお出かけとお留守番をうまく使い分けるといいと思うんです。家に寝ててくれた場合や、車の中で待っていた方がいい場合もありますからね。それと、どこにでも一緒に出かけるのは楽しいとは思いますが、ただ出かけるのではなく、たまには「ビシッ!」とトレーニングとして目的をもって出かけるのもいいですよね。「シット」「ダウン」「マテ」とか言って、お食事中「マテ」を出来るように練習するとか…。うちの子もそうですが、たまに必要性を感じる時があります。「なんか、最近言うことを聞かないんだよね。」っていう時にトレーニングをするのがいいと思います。そしてうまくできたら、いっぱいほめてあげる。確かに場所が変わると周囲に意識がいくので、新鮮でいいのかもしれませんね。はい。うちのお店をシチュエーショントレーニングというか、練習の場に使って頂けるといいですね。もちろん、お散歩の帰りに立ち寄る気軽な場所と思って来て頂けるのも嬉しいのですが…。

― いまの話と重なるのですが、「しつけ」についてこうあるべきだ。みたいなものってありますか?

けーすけシェフ:まず、上下関係っていうのが大切です。飼い主さんが上、ワンちゃんが下ですね。この、上下関係を明確にすることでワンちゃんが安心できますので。よく、家族の中で自分の位置を探している犬を見かけます。家族に対して噛み付いちゃう犬とか、やたら落ち着きが無い子とかは、ご主人が誰なのか判らないで不安になっている場合も多いんです。だから、しつけ教室で先生に時間とお金をかけてトレーニングをして、しっかり「マテ」を教わってきたとしても、犬がそれに従うかどうかは、従うべき相手を見て決めます。特に、飼い主さんが言う最初の「マテ」が大切なので、その時うまくコマンドを聞き入れてくれるように、ワンちゃんとの信頼関係の構築に加えて、むしろ飼い主さんのコマンドの言い方やジェスチャーなどのトレーニングが大事なようです。それと、トレーニング中、出来ない時に途中であきらめるとちゃうとだめですね。一度、今日は何度か出来たからいいかって途中でトレーニングを終わらせてしまうとコマンドを聞いてもやらなくなります。最初の内は根気よくやらないとだめですね。それも、ワンちゃんの年齢や性格によって違いますね。強く言っていいのか?褒めてやったほうがいいのか?そういう意味でも子供と一緒ですね。それと、おやつをうまく使ってトレーニングすることも必要ですね。

― 犬と人間との関係が家族的になっているという背景があって、人間と犬との関係ってどうあるべきだと思いますか?

けーすけシェフ:犬と人とのコミュニケーションが出来るほど、家族の絆は深まると思います。子供がほしがって飼うパターンって多いですが、それはオススメできませんね。子供が子供の世話を出来るわけが無いんだから、どんなに小さい犬でも家族全員で世話をしないとだめですね。だから子供が「ゼッタイ世話する!」って約束しても、それは家族全員でやらないとだめです。最終的にはお母さんになっているケースが多いですが、お母さんのそれをいかに減らせていけるかが大切です。しつけをして、横をピタッと歩くようになれば、子供からお年寄りまで安心して飼えるようになるんでしょうからね。そうそう、僕は決して小型犬は嫌いではないのですが、聞かれると中型犬以上のサイズの犬を薦めちゃいますね。

― それはなぜですか?

けーすけシェフ:小型犬だと力で押さえつけられるんですよね。だから、吠えちゃったらすぐに抱っこしたりとか、悪いことをしたらグッと引っ張って押さえつけることができちゃうのでそれに甘んじちゃう。反対に、大型犬の場合だと力がありますから、小さいうちはいろんな物を壊されますし飼い主さんも覚悟が出来るんですよね。やっぱり衝撃を受けると思うんですよね。そのときに、何とかしなきゃって、奮起して「頑張る!」って人が割と多くて、犬も飼い主も二人三脚で頑張って、結果的に家族の絆も強まりが強まるいう感じになるといいと思います。犬も性格によって違うので、とにかくペットを飼いたいという方には猫をおススメしてます(笑)

― 「犬がOKって聞いたんですが・・・」

けーすけシェフ:湘南も近いので帰り道にフラッときて頂ける方が多いんです。そんなときは、とりあえずテラス席をお薦めしてます。飼い主さんの横について入ってくるおりこうなワンちゃんもいれば、椅子の上にをポンって上がっちゃうワンちゃんもいるんですよ。お客さんによってさまざまですね。多分、おうちでは問題ないいでしょうけど、うちの店では他のお客様も座る席なので・・・と丁寧にご説明しています。また、飼い主さんが食べているお料理をお皿ごと床の上においてあげちゃったりとかすることもありますね。
「犬用のメニューはありますか?」ってよく聞かれるんですけど、あくまでも、うちは人が食事するお店でワンちゃんと食事の出来る店ではないので、とお答えしています。まあ、お持ち帰り用に「犬用のクッキー」は作って置いてるんですが…。ワンちゃんの嫌いなワンちゃん連れのお客さまが時折お見えになります。他のワンちゃんと少し離れた席をご希望されるので、ワンちゃんが他の犬とのコミュニケーションが苦手なんでしょうね。ワンちゃんを受け入れているのは、犬に理解のなかった人に犬のことをわかってもらいたいからです。いままで、犬とか触れなかったし、可愛いと思わなかったけど、お店に来るようになって好きになったとかいう話を聞くと嬉しいですね。うちに来たお客さんで、それをきっかけに犬を飼うようになったお客さんをよく聞くんです。そのワンちゃんたちが家族のビタミン剤になってくれてればいいなあって思います。

プロフィール
La Ricetta:稲垣 圭介シェフ
店舗名:La Ricetta /住所:神奈川県座間市相武台1-6063-1
営業時間:火曜-土曜11:30-14:00、17:30-22:00(日曜祝日16:30-21:30)
定休日:月曜日 /駐車場:あり(20台)/席数:ペット店内80席、テラス席16席(要予約)
交通:小田急小田原線「相武台前駅」より徒歩5分/電話番号:046-251-3730
HP:http://www2m.biglobe.ne.jp/~keisuke/
*本場、イタリアの味をどうぞ。地中海の建物をイメージした外観はとても印象的。石釜で焼く本格的なクリスピーなピザが絶品。


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