A VOICE FOR ANIMALS

国際コンパニオンアニマル福祉会議

国際コンパニオンアニマル福祉会議は2009年10月、初回(1996年)の開催地であるブダペストで再び開催され、38か国から187名が参加しました。会議は過去10年間に、のべ数千人に及ぶ動物福祉活動家を世界中から迎え、コンパニオンアニマルにやさしい世界を築くことを目指して情報交換と学びの場を提供してきました。今回、アークからはエリザベス・オリバーと東京アークの山田桂子が参加しました。
初日、ふたりはブダペストから近い「アニマル・アイランド」を訪問しました。ここは5年前にピーター・キラリー獣医師が設立し、レックスファンデーションが運営にあたるシェルター兼教育センターです。センターが建つのは、もと瓦礫だらけの荒地だった所で、2ヘクタールの敷地を国から無償で借り受けています。ここには、犬と猫のリホーミングセンターと(ブタ、ニワトリ、ロバ、ウマ、ヤギなどを飼育する)市の農場、それに、野生の池があります。「アニマル・アイランド」には、常勤スタッフが14名とボランティア300名が働き、2008年には、犬猫700匹を新しい家庭に譲渡し、動物1,000匹に不妊手術を行ない、3,500人の子供を教育しました。レックスファンデーションは、様々な野外イベントを通して子供たちがペットを正しく世話できるように教育しています。
今回見学を終えたあと、ゲストたちは「アニマル・アイランド」にある屋根付きの巨大野外レストランでのディナーに招かれ、ハンガリー名物グーラシュを楽しみました。ちなみに、ハンガリー
では、慈善事業に寄付をした人は1%の減税を受けることができます。
さて、会議でのスピーチは、いずれも面白く、示唆に富んだ内容でした。その中から、特に興味
深いものを幾つかご紹介します。

デイビッド・ワトスン獣医師
David Watson, veterinarian

「犬猫の約3分の1は太り過ぎですが、飼い主さんはあまり気にしないようです。獣医師から“お宅の犬は少し太り過ぎですね”と言われても、“そうですか”という程度の反応しかありません。獣医師もこの話題をできるだけ避けたがります。その理由は、「肥満犬の場合、飼い主も同様の体形をしていて指摘しづらい」「獣医師は、飼い主よりも犬と話す方を好む傾向にある」「獣医師が、飼い主との会話を看護師にまかせてしまっている」「他に問題となる症状がなければ、体重のことを持ち出さない」「余分な話をする時間がない」といったものです。ですから、太り過ぎペットに関する話題は、大半が飼い主の方から切り出すのが現状です。餌のやり過ぎについては、「犬に食べさせるのは楽しいし、欲しがるものは何でもあげたい」とか、「長年の習慣をやめるのはむずかしい」「散歩したり、処方食などを用意する時間がないから」というのが多くの飼い主さんの言い分です。肥満は関節炎、心臓病、糖尿病、肝臓異常、病気に対する抵抗力低下、短命などにつながります。餌のやり過ぎは本当の愛情ではなく、ペットの健康に害を及ぼします。その対策/予防としては、処方食、減量食を与え、食間の「おやつ」をやめること。それに当然、(犬にも人にも必要な)十分な運動です。そうすれば、肥満気味のペットも飼い主も、ともに健康的な生活を送れるのです。」
“About one thirds of dogs and cats are overweight but owners do not always notice this. When a vet says “ he’s (your dog’s) a bit overweight,” the owner often comments: “ is he ? “ Vets are reluctant to push this with owners, their excuses are: the owners too were overweight, vets prefer to talk to the dog (rather than to the owner), they think telling owners is a job for nurses, there maybe no other clinical signs of problems, and they have no time to talk about weight. In discussion of their over-weight pet more than half the owners initiate the subject. Clients excuses for over-feeding are: they feel happy when feeding their pet, they don’t like denying their pet something it wants, old habits are hard to break and they have no time for exercise and all that dietary stuff.Obesity leads to arthritis, heart disease, diabetes, liver dysfunction, a reduced resistance to disease and a reduced life expectancy. By over-feeding owners are killing their petwith kindness. Combined with a controlled/ reduced diet, no snacks or treats between meals, and plenty of pet/owner exercise, both an obese dog and its owner can have a healthier life. “

スティーブ・ガワード氏
(ドッグズトラスト)
Steve Goward, Dogs Trust

「イヌはきわめて社会性の強い種です。身の安全を守るために仲間と一緒にいることが必要で、単独では不安に駆られます。家の中でひとりにされると、抑圧感と欲求不満から破壊的行動に出ます。ひとりでは安眠できず、たえず警戒していなければなりません。仲間に囲まれているか、連れといる方がよく眠れるのです。犬は自由に走りまわることを好み、つながれたり狭いケージに閉じ込められると、うつ状態になって強いストレスに襲われます。イヌ本来の生育環境では、性的に成熟する以前の期間に群れを出たり、家族から離れることはありません。したがって、飼育犬の場合も、生後8週齢までの子犬は母親のもとに留まるべきです。」
“ Dogs are a very social species. They need to be together with other dogs as a means of security and suffer from being alone. When left alone in a house they become destructive due to depression and frustration. They also find in hard to sleep when alone, having to be constantly vigilant. A dog can sleep better when surrounded by other dogs or having a companion. Dogs like the freedom to run,therefore a dog that is chained or kept in a small cage becomes very depressed and stressed. In a natural environment canid species don’t leave the pack or family group until they are sexually mature. Domesticated dog puppies should be with their mother until they are 8 weeks of age. “

マギー・ロバーツ
(「キャッツプロテクション」医療サービス部門主任)
Maggie Roberts, Director of Veterinary Services, Cats Protection

「猫は孤独なハンターで、きわめて縄張り意識が強いもの。他の猫の近くで暮らすのを嫌い、見知らぬ猫の存在に強いストレスを感じます。隠れる・逃げる・高い所に上ることで心理的葛藤を処理しようとします。ですから、シェルターの猫にも、身を隠したり、高い所に乗ったり、よじ登ることができるエリアが必要です。猫が社会性を養う決定的時期は生後2~7週齢の頃です。この時期に適切な扱いをしなければ、社会性のあるペットに育ちません。野良猫は生後6週齢から避妊去勢手術をして、その後元の場所に戻すことができます。猫はベジタリアンにはなれません。食餌も肉食が基本で、犬よりも高タンパク質が必要です。野生猫は1日にネズミ9匹を食べると言うことです。」
Cats are solitary hunters and highly territorial. They do not like to live in close proximity to other cats, and are generally stressed by the presence of strange cats.They deal with conflict by hiding/fleeing/climbing if possible. So cats in shelters needs areas to hide,perch and climb. The crucial socialisation period is between 2-7 weeks of age. If not handled during this period they are unlikely to become sociable pets.Feral kittens can be neutered from six weeks and returned to the place they were found. A cat cannot be vegetarian, it must have meat based diet and it needs higher levels of protein than dogs. In the wild a cat would eat nine mice a day.

ジェフリー・ヤング獣医学博士
(プランドペットフード)
Planned Pethood. Dr.Jeffrey Young D.V.M.

「ペットの避妊去勢時期をめぐる論争は終わりました――今や、早期手術こそ最良の処置であるという結論に達しています。」ヤング博士はこの18年間で16万匹を超える動物に自ら避妊去勢手術を施しましたが、その中の3万匹は若齢動物です。また、スロバキア、メキシコなどの遠隔地を含む諸外国の100名を超える獣医師を訓練してきました。博士の使命は「全世界でペットの頭数過剰を大幅に減らすこと」です。「多くの人から“早期不妊手術の父”と仰がれるのがリーバマン獣医師です。1987年、氏はJAVMA(米国獣医師会ジャーナル)に“生後2か月齢の子犬/猫に対する避妊去勢手術の事例”と題する論文を発表しました。AVMAは1993年以来早期避妊去勢手術の実施を支持し、今日では、米国内の動物愛護組織の大半でも実施されています。早期避妊去勢手術の主な利点は、◎ 合併症発生率がきわめて低い ◎ 死亡率がきわめて低い◎術後の回復が迅速である◎手術に要する時間が短い(麻酔薬、諸材料も少なくてすみ、低コスト)「動物愛護団体は毎年20~25%のペットを新しい飼い主に譲渡しています。しかし、30~60%の里親は避妊/去勢手術をするという契約を遵守しません。猫の85%、犬の70%が手術を受けていても、20%が避妊をする前に少なくとも1回は出産を経験しています。ペットの死因第一はいまだに安楽死なのです。」「彼らは読み書きはできないが、掛け算はできるのです(「繁殖して増える」の含意)。」
“ The controversy is over: Prepubertal (early age) neutering is the surgery of choice.” Dr. Young has personally sterilized over 160,000 animals, including 30,000 prepubertal animals in the last 18 years and trained over a 100 veterinarians in countries as far flung as Slovakia and Mexico.His mission is “ to significantly reduce companion animal overpopulation throughout the world.” “Dr.Leiberman is considered by many to be the father of prepubertal neutering. In 1987 he published an article in JAVMA (Journal of American Veterinary Medical Association) entitled “ A case for neutering pups and kittens at two months of age.” The AVMA has endorsed the practice of prepubertal neutering since 1993 and today most of the humane societies in the USA practice it too. The major advantages are:◎ extremely low complication rate ◎ extremely low death rate ◎ extremely rapid recovery ◎ short surgical time (reduced anesthesia, reduced materials, reduced cost) Humane societies provide 20% - 25% of companion animals to households each year but 30% - 60% of adopting owners do not abide by spay/neuter contracts. And although 85% of cats and 70% of dogs get neutered, 20% produce at least one litter prior to being sterilized. The number 1 cause of death for companion animals remains euthanasia. “ They can’t read or write but thet sure can multiply.”



Japan Pet Press 最新号を見る!
ペット専門月刊新聞「Japan Pet Press Vol.23・24」

「ジャパンペットプレス」は、「より楽しく」「より価値のある情報」をコンセプトにペット・動物関連の様々なニュースを毎月発信。国内外の最新ニュースから、充実した連載・コラム、動物啓蒙団体の特集を通して、ペットとのより豊かなライフスタイルを発案しています。

≫もっと見る

バックナンバーを見る→

大好評! 連載コラム
捨て場は動物病院

「命の尊さ」良く聞く言葉。でもそれは社会上のきれい事にすぎない。現実は恐ろしく違う。残念ながら、日本には命を粗末にする人たちが大勢…

≫もっと見る

がんばるActivistを紹介
NPO法人 アニマルレフュージ関西

アークは1990年、現在のアーク代表エリザベス・オリバーによって設立されました。オリバーは、イギリスから…

≫もっと見る

東京キャットガーディアン

東京キャットガーディアンの前身、ライフボート東京はライフボート友の会(現、犬と猫のためのライフボート)の新しい試みとして、東京を拠点に平成20年4月からスタートしました。…

≫もっと見る

No Love, No Earth Project

「動物愛護管理法を見直す会」とは
~人と動物が供に安心して暮らせる社会の構築を目指すために~
①話せる環境を作る会
動物愛護活動を行っている民間…

≫もっと見る

NPO法人 陽の会

Power Message / Together Forever 一生一緒
“命の大切さと人としてのモラル・マナーの向上”をわかりやすく社会へメッセージし、より多く…

≫もっと見る

NPO法人 日本サービスドッグ協会

引退した補助犬を支援するJSDA
補助犬法が平成15年10月から施行されましたが、まだまだ一般社会に浸透しているとは言い難い昨今です。需要に対し…

≫もっと見る